WORKS
機械カバーのカスタム制作
シンクス株式会社様
写真:シンクス株式会社 門奈氏
シンクス株式会社様より、機械カバーのデザインと設計をご依頼いただきました。今回はご担当者である門奈氏にお話の機会をいただき「納品されたデザインはどうだったか?」「出展したショーでの手応えはどうだったか?」などをお伺いしました。
2022国際ウエルディングショー(※)へ出展する「開先加工機械」のカバーデザインをご依頼いただきました。
今回アドライズが担当したのは「デザイン」と「設計」です。製作はシンクス様で行っていただく、という内容でのご依頼でした。
(※)溶接・接合などに関する製品の展示会。東京ビッグサイトで行われ、国内外から合計200社以上が参加する。
今回はシンクス様の担当者 門奈氏に、以下の内容をお伺いしました。
・ご依頼前に不安な点はなかったか
・なぜアドライズを選んでいただいたのか
・納品したデザインやデータに対する評価はどのようなものか
シンクス株式会社(http://shinx.co.jp/)
「木工加工機」「鉄鋼加工機」を開発している企業です。特に木工の型板材切断機(パネルソー)は、国内導入率No.1の実績を持ちます。
今回ご依頼をいただいたのは「鉄鋼加工機」。開先加工を行うための機械ですが、今までの製品とはその性能が大きく異なり、曲線部分に対して開先加工を施せる点が大きな特徴です。
従来、曲線部分の開先はロボットを用いてガスやプラズマで加工する、または、職人が手作業で加工していました。しかしそれでは作業や後処理に時間がかかってしまうという課題がありました。
そこに目を付け、曲線部分を「機械」によって開先加工をできるようにしたのが、今回シンクス様が開発された製品です。
シンクス 門奈氏:
今回、初めて弊社の鉄鋼加工機を「2022国際ウェルディングショー」に出展させることになりました。そこで「ショーへ出すのにふさわしいデザインを施さなければ」ということが課題にあったんです。
ウェルディングショーには海外の企業からも出展されるため、それらに負けないようにしなければいけません。「シンクス」という会社は世界から見ると名の通っている企業ではないので、製品を立ち止まって見てもらうには、それなりのインパクトが必要だと考えていました。
アドライズ:
確かに最近は、おしゃれな海外製品に対抗するため、デザイン面に力を入れる企業も増えていますよね。
シンクス 門奈氏:
はい。特に「国際展示会」ということを考えると、デザインは必須だと思っていました。
今回依頼したのは製品の外装(カバー)だったのですが、依頼前にまずは自分で良いカバーができないかを考えてみました。しかし実際にそれを図面化して3Dで見てみると、どうにも無骨な印象で、社内での評判もあまり良くなく…。
その後は社内でいくつかデザインについて話し合ったりもしてみましたが、なかなか良い案が出ませんでした。そこで、デザインを外部に委託することに決めたんです。
シンクス 門奈氏:
いえ、他社の検討はほとんどしませんでした。
「デザインを委託しよう」と決まってからは、まずはWebで検索し、デザインをお願いできそうな会社を探しました。その時に偶然アドライズさんを見つけ、とりえず問い合わせを送ってみよう、ということになったんです。
その後Webミーティングを設けてもらい、依頼内容や納期・費用などについて詳しくお話しを伺いました。その結果に納得したので、上司と相談してアドライズさんにお願いすることに決めました。
シンクス 門奈氏:
まずはミーティング時の説明や提案内容が良かったことです。シンクスではデザインを外部に委託するのが初めてだったので、色々な面で不安がありました。「本当に良いデザインを納品してもらえるのか?」「費用はどれくらいになるのか?」「納期は間に合うのか?」など。これらに対して、最初のWebミーティングでしっかり説明してもらえたことが良かったです。
次に、アドライズさんに依頼するとデザイン候補を3つ出していただき、そこから良いと思ったものを選ばせてもらえる、という点がとても大きな安心材料でした。
アドライズ:
弊社ではデザインのご依頼をいただいた後、まずは3つのデザインを制作し、ご提出します。その中から一番良いと思うものを1つシンクス様にお選びいただく、という内容をご提案させていただきましたね。
【実際にご提出したデザイン候補 A-1】
※画像内のコメントは、アドライズのデザイナーによるデザイン説明です。
【実際にご提出したデザイン候補 B-1】
【実際にご提出したデザイン候補 C-1】
アドライズ:
最初から1案のみだと比較対象がなく、「本当にこれで大丈夫なのか」を正しく判断できないと私たちは考えているので、このような方法をご提案しています。
ちなみに操作盤(機械横にある白い機器)のデザインは、シンクス門奈氏によるものです。元々素晴らしいデザインだったので、そのまま使用させていただきました。
シンクス 門奈氏:
当初は3案のお見積もりをいただいたものの、「もう少し金額を抑えて1案のみでご依頼できないか」とご相談しました。
しかしやはり、1案だけだとどうしても不安が残りますね。特に今回はデザインの依頼が初めてだったこともあり、どのようなものが出来上がるのかが分からなかったので…。
よく考えた結果、費用よりも「複数のデザインを比較検討して、できる限り満足のいくものにしたい」という思いの方が強かったので、当初のご提案通り3案のデザインをお願いしました。
アドライズ:
デザインをご提出した後、シンクス様では3つの候補をどのように絞って決定されたのでしょうか?
シンクス 門奈氏:
社内でどのデザインが良いかを、投票して決めました。その結果「候補 A」に決まり、設計まで正式依頼をすることになりました。
【お選びいただいたデザインA】
シンクス 門奈氏:
とても良いデザインになっていると思います。やはり自分で想像して作ったものとは全然違いますね。
今回依頼した製品は「曲線を削れるという新しい性質を持った開先機械(のカバー)」です。そのコンセプトを体現できるよう、「曲線」「未来」をテーマにデザインをお願いしていました。それがしっかり表現された、スタイリッシュなデザインになっていたと思います。
アドライズ デザイン担当 唐澤:
デザインする際は製品の特性や機能・イメージが、カバー外観から伝えられるように意識しています。
最終決定したデザインAは特に「曲線」をカバー全体の造形に取り入れた案です。正面上部から天板にかけての緩やかなRの造形により、「曲線加工ができる開先加工機」が視覚的に伝わるようにいたしました。
シンクス 門奈氏:
社内でも好評で、じつは木工加工機の別製品のデザイン、来年の展示会に向けてアドライズさんに依頼を進めているところなんです。
シンクス 門奈氏:
はい、ウェルディングショーも上手くいったと思います。
うちの出展ブースは、周囲が大企業の製品で囲まれているような場所だったのですが、そんな中でも足を止めてシンクスの製品を見に来てくれる人がたくさんいました。そういう意味で、当初考えていたデザイン強化の目的は果たせたと思っています。
あと今回はウェルディングショーまでに時間の余裕があまりなく、納期がかなり厳しかったのですが、そこを柔軟に対応してもらえたことも大きかったです。
なるべく早く製作が終わるように、デザイン後の設計スケジュールを工夫してもらったり、滞りなく製作ができるような提案をもらえたり…。そういった柔軟な対応も大変助かりました。
アドライズ 設計担当 牛山:
設計着手前に図面の描き方や設計のルール等を細かく確認させていただき、極力手戻り作業が出ないように進めました。
設計着手中も詳細を作り込む前に都度確認をさせていただき、レスポンス良くご回答をいただけましたので、スムーズに進めることが出来たと感じています。
シンクス 門奈氏:
「ウェルディングショーにふさわしいデザインを考えて、設計や製作まで進めて、それを期日までに間に合わせる」という作業を私一人で行うのは無理だったので、今回アドライズさんにお願いできて本当に良かったと思っています。
アドライズ:
それでは門奈さん、お忙しい中、貴重なお話しを聞かせていただきありがとうございました。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
アドライズでは設計開発案件3,000超えの経験と実績を活かし、貴社のニーズに寄り添います。
ぜひお気軽にご相談ください。