● 人にとっては無い方が望ましい音で、
(心癒される音楽を多くの場合騒音とは言わない)
● 継続的に発生し、
(一発の銃声を騒音とは呼ばない)
● 人の存在がその専らの原因にあって、
(セミの鳴き声を騒音と呼ぶかどうか:これは意見が分かれますが)
● 比較的大きな音、
(気になる隣の席のキーボードの音は騒音か:これも意見が分かれるでしょう)
を、一般に「騒音」と呼ぶことが多いようです。
騒音は、感覚的/実質的には、
・睡眠の妨害
・会話の妨害
・イライラ
の原因となり、身体的にも
・ストレス
・聴覚障害(騒音性難聴)
を人にもたらします。
日本では、「望ましい」とされる値と条件が、いくつかの法令や基準(ガイドライン)によって定められています。
<生活を守るため>
人が生活するにあたって望ましいとされる値と条件は、「環境基本法」と「環境省告示」に定められています。また工場や建設工事現場が発する騒音に対して生活環境を保全するという目的では、「騒音規制法」があります(都道府県知事等が地域や規制値を指定)。
<労働者を守るため>
作業環境の区分や一般的な対策については、労働省策定の「騒音障害防止のためのガイドライン」があります。また、著しい騒音を発する作業場を定義して測定と記録を義務付けているのは、厚生労働省令である「労働安全衛生規則」です。一方、よく用いられている「8時間なら85dB、3dB上がる毎に時間は半分」という基準は、日本産業衛生学会の「騒音許容基準」です。
では、例えばこの 85db という値は、実際の生活の中ではどの程度の音に相当するのでしょうか。
もちろん音源との距離や条件によって音圧レベルは大きく異なってくるのですが、一般に使われている感覚的な目安を以下に並べてみます。
騒音レベル(dB) | 環境の例 | 音源の例 |
110 | 至近距離での自動車の警笛 | |
100 | オーケストラ | |
90 | 電車通過時のガード下 地下鉄のホーム | |
80 | 工場内 | 大声の会話 |
70 | 食堂 | 至近距離での電話のベル |
60 | 人が多く活発な事務所 | |
50 | ||
40 | 静かな事務所 | |
30 | ||
20 | 深夜の郊外 | 人のささやく声 |
10 | ||
0 | (聞こえない音圧の実行値) |