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2025.8.18

産業機械カバーデザイン

機械の安全カバーとは?

安全・機械カバーとは

安全・機械カバーとは、工作機械や装置などの危険性の高い箇所を被覆するためのカバーです。主に作業者の安全を確保すること、機器を保護すること(ガード)を目的として使用されます。安全防護すべき箇所は機械ごとに異なるため、機械の安全カバーには機械それぞれの用途に応じた設計が必要です。

併せて「厚生労働省による機械安全化の改善事例集」もご覧ください。

 

安全・機械カバーの種類

安全カバー、機械カバーと言っても多種多様なものがあり、一概に定義することは難しいですが、ここではさまざまな分野の機械カバー、装置カバーなどについてご紹介します。

工作機械の安全・機械カバー

昨今の工作機械は、外装デザインも先進的なイメージが盛り込まれ多くの工夫が見られます。一例として、取付や取外しの容易さ、組み立てやすさ、溶接を避けて歪みを防ぐ、分割部分のジョイント方法、ボルトの隠し方、前面の美しさ、扉の開閉の方法、軽量化の為のアルミ素材の利用、強度と意匠を意識したステンレス素材の利用などがあげられます。

また、機械の可動部には安全カバーが必須となるわけですが、その取付けについても、機械全体のカバーとの一体感を損なわないようにしているものも多く見受けられます。いわゆる「とってつけたような」カバー、「単に覆うだけの」カバーではなく、機能性が求められていると言えます。

食品機械の安全・機械カバー

食品機械カバーなどの分野では、その目的は安全とクリーンに関してのウェイトが大きくなります。素材の投入、洗浄などの工程が頻繁に繰り返されるため、作業者が安全であることが第一であり、且つ、安全カバーや扉などの品質が問われます。バリがないこと、鋭利な角がないこと、溶接の仕上げが平滑であることなども求められます。

また、毎日の洗浄が必要なケースも多く、安全カバーの取外しや取付は容易であり、ボルトなどが落下して食品に混入するようなことがなきように考慮する必要があります。基本的には、あらゆるところが清潔・クリーンに保たれる必要があることから、工作機械の安全カバーとは機能性が大きく異なります。素材には、錆や塗膜の剥がれは厳禁とされるため塗装を嫌い、アルミ、ステンレス、中でもSUS304材が使われるケースが多いようです。

その他産業機械の安全・機械カバー

その他にも細かく分類すれば、300分野以上の機械、装置が存在し、それぞれに目的に応じた安全カバー、機械カバーが製作されています。危険箇所やロボットの作業エリアとの仕切り、切断・研磨工程など粉塵の飛散・防じん対策や騒音抑制に活用される安全柵・防護柵もその一例です。

これらには、企業イメージ、商品イメージ、設置側工場イメージの向上のためにも色彩・デザイン性なども非常に重要視されています。

安全・機械カバーの製作要件

ここでは、安全カバー、機械カバーの製作のために重要な要件となる項目をピックアップいたします。ご参考になさってください。

  • カバーによって、完全に安全が確保されているか
  • カバーの取付け、取外しは容易か?
  • カバーの意匠面に溶接の歪みが出ていないか?
  • ジョイント部分、継手部分などの設計に無理はないか?
  • カバーの製作が困難ではないか? 難しい製作となっていないか?
  • カバー取付ボルトの本数は適宜妥当か? ボルト径を統一しているか?
  • 扉の開閉方法は適当か? スライドレール等のゴミ対策はしているか?
  • 組立はし易いか? 分割されたカバーの重さを考慮しているか?
  • クリーンな環境で使用する用途の場合、カバーの機能として必要とされる防塵対策はしっかりと考慮されているか?  例:気圧差の考慮など
  • カバーの製作コストから材質を適宜使い分けているか?  例:ステンレス、アルミ等の素材の限定使用
  • 用途により静電気の除去要件を満たしているか?
  • 別置式のモーター、ポンプ、集塵機等のカバーも統一感のあるデザインにしてあるか?
  • ダクト関係も剥き出しの配管としていないか? 配管・ダクトにカバーは施してあるか?
  • NC装置、制御装置のカバーの場合、熱対策、防塵対策は施されているか?
  • 塗装コストを抑えるための工夫はしているか?
  • 電気亜鉛メッキ鋼板の使用などを考慮しているか?
  • 機械カバー・安全カバーの全体形状のバランスはどうか?
  • フレームを有するカバー設計の場合、全体の剛性、バランス、重心、カバーを吊った時の応力はどうか? 解析されているか?   ・・・など

 

アドライズの安全・機械カバーの特徴

機械の安全カバーは一般的に板金加工によって製造されますが、板金設計はその機会の少なさから機械設計者の多くが得手でないところでもあります。さらに、近年の機械カバーは機能や使いやすさはもちろんのこと、見られることを意識した見た目の美しさが求められます。

自社の機械設備のデザインを刷新したいが、設計に追われてデザインまで手が回らない

アドライズでは、機械の安全カバーについて、工業デザイン、設計、製作までの工程を一貫して請負います。カバーの製作を弊社に丸ごとご依頼いただくことで、お客様は機械本体の開発に集中することができ、下記のような効果が期待できます。

機械のデザイン性の向上

さまざまな分野の各種産業機械、工作機械、ロボットの安全カバーを専門に実績を積んできた弊社のデザイナーは、多種多様な業界・業種の機械カバーに携わり、高い知識と技術を保有しています。そのため、自社製品にこれまでとは異なる見地から新しいデザインを取り入れることができます。

工業デザインについて詳しくはこちら

設計負荷の削減

設計者の業務は、仕様決定、打ち合わせ、構想、3D-CAD設計、図面作成(バラシ)など広範囲にわたります。カバーの設計・製作をを委託することで、貴社の設計者は自社の設計者にしかできない機械内部の設計・開発に専念できます。
また、弊社の設計者は、板金設計や機構設計において、幅広い業界の機械カバーに携わり開発経験と実績を積み重ねてきました。フレーム、カバー、扉の開閉構造はもちろん、防音、防水、防塵、X線遮蔽、CE対応など、お客様の機械カバーに合わせた多様なご要望に応えるカスタム設計が好評をいただいております。

板金設計・機構設計について詳しくはこちら

開発期間・納期の短縮

近年ではPLM(Product Life-Cycle Management)に基づき、多くの企業が製品ライフサイクル全般の全体最適化を目指していますが、この実現には製品開発期間の短縮や工程の効率化は必須です。安全・機械カバーに関わる業務を一気通貫してご依頼いただくことで、後手に回りがちだった機械カバーのデザインと機械内部の設計のコンカレント・エンジニアリングが可能です。さらに、機械カバーのデザインと設計も並行して行えるため、製品の開発期間の短縮につながります。

工機械カバーのカスタム製作・設計について詳しくはこちら

 

アドライズの安全・機械カバーの事例

NC制御スプリングマシンの機械カバー

NC制御ばね成形機のカバーの工業デザイン、構造設計、製作を担当。

工業デザイン
超精密とユーザー目線の操作性をコンセプトに、機械装置が綺麗な立方体であることを活かし、あえてピン角に仕上げ立方体を強調したデザインです。

構造設計
リンク式スライド扉(プラグドア)を採用し、開口時のスペースを節約しながらも大開口を可能な構造を実現しました。

カバー製作と本体への据付
お客様の工場に出張し、製作したカバーを機械本体へ据え付けました。

 機械の安全カバーの扉・ドアについて詳しくはこちら

半導体製造装置の機械カバー

半導体製造装置のカバーの工業デザイン、構造設計を担当。

工業デザイン
機械装置のシルエットである水平をキーワードに、視認性を高る水平に広がる大型の窓、水平に入れた赤いライン、水平に配置したハンドルで強調しています。

構造設計
装置と装置の間のフレームを隠したり、ネジ・ボルト、窓枠が表面から見えない構造を採用しました。

 

 

⇒ その他の安全・機械カバー事例・実績リストはこちら

 

安全・機械カバー 設計・製作の価格・料金表

アドライズの安全・機械カバー 設計・製作の価格・料金表サンプル

アドライでは、お客様のご要望、ご予算に応じて2種の開発サービス形態を取り扱っております。下記表内の価格は、スタンドアローンの小型工作機械などを例とした費用のイメージです。ご要望にあわせてオーダーメイドいたします。まずはお気軽にお問い合わせください。

 安全・機械カバーのお問い合わせはこちら

まかせて便利なプラン

プラン名 機械カバーのカスタム製作 デザイン持ち込み デザインから機構設計まで
内容 工業デザイン、設計、製作の全ての工程をご依頼いただく場合 デザイン、設計、試作・製作の全ての工程をご依頼いただく場合 カバーのお客様で製作されるなど、デザイン、設計をご依頼いただく場合
担当範囲 工業デザイン、構造設計、試作・製作 構造設計、試作・製作 工業デザイン、構造設計
提出物 デザインCG、3Dデータ、図面データ、製作品 3Dデータ、図面データ、製作品 デザインCG、3Dデータ、図面データ
工業デザイン料 600,000 600,000
構造設計費 800,000 800,000 800,000
図面提供費 400,000 400,000 400,000
コンサルティング費 400,000 400,000
製作費 800,000 800,000
合計 3,000,000 2,400,000 1,800,000

必要な工程を依頼するプラン

プラン名 工業デザイン 構造設計 コンサルティング
内容 工業デザインをご依頼いただく場合 構造設計や板金設計をご依頼いただく場合 工業デザイン、構造設計、板金設計について、お客様に助言を行う場合
担当範囲 工業デザイン 構造設計 コンサルティング(助言)
提出物 デザインCG、簡易3Dデータ 3Dデータ、図面データ、製作品 なし
工業デザイン料 800,000 :デザインのみ
600,000 :構造設計を併せてご依頼
構造設計費 800,000
図面提供費 400,000
コンサルティング費 お見積り
製作費
合計 600,000~800,000 1,200,000 お見積り

 費用・料金について詳しくはこちら