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2025.8.24
技術情報
JISによる規格(標準)は、製品を作り販売するうえで 「守らなければならない法律」などではもちろんありません。(*1) この規格(標準)を使っておけば、
などについて、国内はもとより海外に向けても共通の言語で 表現することができる、ということです。 JIS(あるいはISO、IEC.ITU)が作る規格(標準)とは、 特に違う仕様を必要とする理由が無ければ多くの人が 自然と使うようになる様、無理なく、最大公約数で、しかも製品の目標を 高いレベルで達成させるべく、よく考えられたものなのです。 一方、たとえば、 「この製品はJISのxxxという規格(標準)で作られています」 と解釈できるラベルが製品に貼られていたとして、 その表示はどのくらい信用できるものなのでしょうか。 これについてはいくつかの法律が関係していると考えられます。 偽りの表示によって事業者や消費者を欺いてはいけません。
ここまでの話題はすべて、政府やそれに準じた公的な機関が 条約や法律をもって使用をあと押しする規格(標準)に関するものでした。 これを、 デジュール(公的)標準:dejure standard と呼ぶことがあります。
これに対し、民間の主導する機関が作る規格(標準)も多くあります。 新しいジャンルの製品や考え方については普通はこちらが先行し、 ニュースにもよく出てくるので有名です。 その機関は例えば次のようなものです。
これらが作る規格(標準)は、デジュール標準に対して、 フォーラム標準:forum standard と呼ばれます。(*2) さらに、公的/民間を問わず標準化機関が策定したものではないにも かかわらず、市場で広く採用され認められて結果的に同じものが 次々に用いられるようになった規格(標準)があります。
これらは、 デファクト標準:defacto standard と呼ばれています。
そのような法律は別にあります。 例えば電気製品に限れば、電気用品安全法(PSEマークによって適合が表示されます)や電波法などです。 CEマークも、EUの指令または規則に適合していることを表しています。
民間ですが分類の難しい機関もあります。 例えば以下の2団体はいずれも非営利・会員制ですが、 なんとなく公的機関のようなイメージで捉えられがちです。 この2団体の成り立ちや性質は正反対ではありますが、 それぞれ異なる経緯で「公」に近い立場を保っているようです。 ARIBについては数年前「事業仕分け」の筆頭にあがったことでもその不思議な立ち位置を推し量ることができるでしょう。