プロダクトデザイン事例
センター型円筒研磨機
段付きシャフト等の外周を研磨するのに適した大型の研磨機。ミストを機外に出さずに湿式研磨ができる。
株式会社野水機械製作所
野水機械製作所、今井社長に研磨機の専用機に工業デザインを採用されるに至ったきっかけを伺いました。 中国の工場オーナーからの依頼でCRB型研磨機(1号機=リニューアル前)をカスタム制作し、納入して間もなく、 その中国人オーナーから「話があるから工場まで来てほしい」と連絡があったそうです。「うちの機械はしっかり品質チェックしているが何の問題だろう?」と、今井社長は中国まで、その工場オーナーに会いに行きました。すると、オーナーから次のようなコメントが。「あなたの会社の機械、性能は良い。デザインは機能的だが良くない。」「他のメーカーの機械を見てほしい」と広いフロアに通されると、ドイツ製、フランス製、韓国製と数々のメーカーの工作機械が並んでいます。何れもデザイン性が高く、洗練された雰囲気がありました。今井社長は「なるほど、専用機も中国で売るにはデザインがいるのか」と、驚きながらも感心したと、笑いながら話してくれました。
機械カバーのプロダクトデザインへの要望
今回、工業デザインを付加する対象は2号機でしたが、機械本体や機械が載るベースなどの変更には設計と管理の労力が大きくかかるため、機械本体の基本構造(1号機)は極力変えずに、カバーを設計してほしいとのご要望でした。CRB型研磨機のセールスポイントは、切削液のミストを機外に出さずに湿式研磨ができること。カバーと扉には、ミストを遮蔽できる構造が求められます。100年に渡る老舗企業である野水機械製作所。今回、大切な会社ロゴのデザインもお任せいただきました。機械のデザイン性を高めるためにロゴは重要です。
機械の基本構造は変えずに、カバーを設計してほしい
切削液ミスト対策できるカバー構造は必須
会社ブランドのロゴデザインも提案してほしい
工業デザインから構造設計、製作までをアドライズが担当
工業デザイン
構造設計
カバーの製作
工業デザイン
- 幅が7m以上もある、非常に存在感のある機械です。稜線と4枚の窓で水平方向のラインを引き立てました。
- カラーリングは白と青をベースとし、ポイントで赤とグレーのロゴが入ります。
- 赤いロゴは歯車をイメージしてデザインしました。
構造設計
- 本機は、長尺のワークに対応するため、扉を開けた際の間口は4mあります。戸袋の幅に対して間口が広いので、扉を2枚に分け、スライドして開閉する「スライド扉(引き戸)」構造としています。
- 扉の上部を斜めにデザインすることで、ワークをクレーンによって機械上部からセットできるようにしています。
- 7mを超える機械の場合、カバーや扉の重量も大きくなります。アドライズではフレーム設計の際にCAEによる強度解析を実施することで、試作段階から、安全でコストのムダのないフレーム製作を実現しています。
カバーの製作と本体への据付
- カバーは納品前に仮組立を行い、不具合があれば事前に対策します。
- カバーは薄い板金製で折り返しやハット曲げの金具を適度に入れながら強度アップしています。
- お客様の工場に出張し、機械本体へ製作したカバーを据え付けました。
納入品
3Dデータ
図面
外装カバーの製作品
カバー仕様
サイズ︓7420x2400x2550
構造︓鋼材フレーム+板⾦カバー
材質+表⾯処理
フレーム︓STKR+粉体塗装
カバー︓SPCC+粉体塗装
窓︓ポリカーボネート
お客様の声
毎々お世話になります。約束していました研磨機全体の写真をお送りします。素晴らしいデザインだと思っています。今後とも宜しくお願い致します。