弊社執筆の「入門」書籍ではモデルを作成し、
それを図面にする方法については解説していますが、
図面からモデルを作成する方法までは掲載しておりません。
SOLIDWORKSの操作方法の本なので・・・という言い訳もあるのですが、
それだと実務的ではないですよね。
皆さんが現場で設計業務に携わる場合、
どんなに新人であっても図面を読み解くことは必須です。
設計には
・図面からモデリングしていくボトムアップ設計
・3Dで設計してから図面に落とし込んでいくトップダウン設計
の2手法があります。
今月はまず、基本となるボトムアップ設計に注目していきます。
ボトムアップ設計で私たちに最初に必要な知識は、
「図面のどこから作り始めたらいいか」ということです。
私も初心者なので、そのつまずきの感覚はまだまだリアルです。
コーヒーミルが出来た!と思って喜んで次の「練習帳」
(弊社発売の「3次元CAD SOLIDWORKS練習帳」です。
図面と完成モデル画像だけあるので、図面から作る練習ができます。)
に取り掛かろうとしたら、部品作成画面を開いただけで手が止まりました。
「どこから描けばいいの?」
「どの面に描くの?」
「原点てどうすればいいの?」
?????の連続で、何もできなくなるのです。
◆図面のどこから作り始めたらいいか◆
これを解決していくには、図面の【基準】を読み解きます。
基準はどこか?簡単に言ってしまえば、
寸法がどこから始まっているのか見て、
寸法が多く集まっているところが【基準】です。
(≒寸法表記の矢印→が多く集まっているところ)
図面から【原点】がどこか?をまずは把握します。
上の図面を見てください。
大体の図面には
・正面図(左下)
・平面図(左上)
・側面図(右下)
の3方向からの投影図があります。
正面、平面、側面のそれぞれの【基準面】が
ありますので、投影図からそれらを見つけます。
その基準が交わるところが【原点】です。
正面図など一つだけの図面は2次元なので
最大で2つの基準面しか特定できません。
他の図面から奥行き方面の基準面を把握し、
初めて原点の1点が特定できます。
(↑図面から最初に描くフィーチャーの図です。)
※上の図面では正面の図の下側が平面、
左側が側面の基準面となります。
ここまでで正面の図左下に基準があることが分かります。
さらに、平面図から中央に正面の基準面があると
わかるので、原点は正面左下の奥行き方向中央に
【原点】があると特定できます。
【基準面】と【原点】が分かったらスケッチに入ります。
寸法が沢山入っている面を優先し、
最大寸法のスケッチを描き始めます。
如何でしたか?
最後までお読みくださりありがとうございました。
来週ももう少し図面について書いていきますね。
お楽しみに!